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MLB Umpire Crew Chief Tim Tschida

今シーズン2日目のツーソンにやってきました。
相変わらず暑いのですが、乾燥しているので、
夜の試合では、そんなに暑さを感じません。
アメリカは、場所によって全然違います。


ツーソンでは、前回に続いて今回もMLB審判と
一緒に仕事をさせてもらいます。
しかも今回は、MLBクルーチーフを務めている
ティム・チーダ審判と4試合ご一緒します。


昨晩の試合では、そんなクルーチーフの
力を存分に見せつけてくれました。


打球が、3塁線を抜けて、レフトのポール方向
へ転がっていきました。外野フェンスのファールポール
より5mぐらいファールテリトリにフェンス下に
転がりこみました。フェンスには、厚さ7〜8センチほどの
ラバーが張ってあり、グランドとラバーまでに隙間ができていました。
そこにボールが転がりこんで、ボールが挟まったらボールデッド
なのですが、ボールよりも若干隙間の幅のほうが大きいので、
挟まることはあまりないはずです。


こんな場所へフェアの打球が転がり込みました。
3塁の塁審で会った僕は、ここで大きなミスをしました。
そのような場所であることを事前に確認していなかった
ので、打球を追っていかなかったのです。
3塁ベース付近でその打球をずっと見ていました。


するとレフトの選手が、打球が隙間に挟まっていると
言わんばかりに、両手を上げて、”ボール・デッドで
プレーできない”とアピールしながらプレーをやめて
しまいました。


このような場合、審判学校でも教えられるのですが、
誰かが打球の確認に、現地まで走ります。
走者は、行けるところまで進めておきます。
そして、審判が状況を確認したうえで、
処置をします。昨日のケースでは、僕が走って現地まで
行きました。


現場まで行くと、なんと試合で使用しているボールの
右3mぐらいのところに別のボールが試合球と同じように
落ちていたのでした。
レフトの選手は、「ボールが挟まっているし、2個のボール
があり、どちらのボールが試合球であるかわからないので
プレーできない!」と主張していました。


僕は、いろいろな事を頭の中で考えましたが、
結論が出ません。もうすでに打者走者は、とっくに
本塁まで行っていました。なので、僕は結論を出さずに
ティムやバリーと相談することにしてその場を
去りました。


2人に状況を説明すると、ティムが直ちに、”Two Bases!" と言って
打者走者に進塁の指示を与えました。
僕が、ティムに状況を説明する中で、「一旦、ボールが見えなくなった。」
と言いました。フェンスのラバーの上に、スポンサー広告のシートが張って
あります。多分、ボールがはねて一旦シートの中に入ったんだと思われます。
とにかく、一度でもボールが消えたら、ボールデッドにするべきだと
ティムが自信を持って説明してくれました。


僕は、正直ボールが挟まっていない以上、イン・プレーにするべきだと
考えていました。さすがに、メジャーのクルーチーフです。
このようなケースでのしっかりとした回答を持っていたのです。
試合後に聞いた話ですが、有名なシカゴ・リグリーフィールドの
外野フェンスの蔦のなかにボールが入った場合のグランド・ルール
で、ボールが一回でも蔦の中に入って、見えなくなったら
デッドにするということになっているそうです。
なので、基本的にMLBでは、似たようなケースでは、このような
解釈をするようです。


いずれにせよ、打球を追っていかなかったこと、
グランド上にボールが転がっているままプレーをしていた
ことは、僕の責任だと思います。
お灸をすえてくれた、このような出来事に感謝しなくては
いけません。まだまだ勉強です。


カウントダウン残り試合 16試合


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